一期一会?

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それから柾木は、芹沢を見かけるたびに挨拶したり、話しかけたりしてくるようになった。図書当番のときにも顔を出してきて、終わる時間まで話をすることもあった。ちなみにその時間宮はいない。 よく話すようになると、柾木がモテる理由がわかってきた。いつも、話す相手をよく見ているし、好きなものなどはよく覚えている。常にこちらが楽しめるように気を使っている。 芹沢はそれが不思議だった。どうしたらそこまでできるのだろう。一人一人、相手にとって気を使うというのはとても疲れる事のように思えた。 そこまでして、人と話をしたいとは芹沢は思わない。 でもきっと、柾木には何かあるのだろう。そこまでする理由が。
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