4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえば、おすすめの本、教えてもらってないな」
今日も図書館に来ていた柾木がポツリと言う。芹沢は読んでいた本から顔を上げた。
「忘れてた?」
右を見るといつものように、真っ直ぐにこちらを見る柾木の視線とぶつかった。ちょっとからかう様な笑みが浮かべられている。
「…すみません。言い忘れていたんですが、私あまり人に本を薦めるのが得意ではないんです」
忘れていたのは事実なので、芹沢は素直に謝った。
「え?なんで?」
「あなたの好きなジャンルとか、傾向とかわからないので……。私が好きな本を薦めても他の人には合わない、というのはありますから」
「そんなことあるの?」
最初のコメントを投稿しよう!