1. ある変人とその出会い

一期一会？

「あれ？間宮は？」

初夏のある日、いつものように芹沢が一人で図書当番をしていると、騒がしい男女の二人組がやって来た。

「…え？来てませんけど…？」
そう言って目の前の二人をまじまじと見つめる。

話しかけてきた男子生徒はスラリと背が高い。あれ？どこかで見た事ある？と芹沢は思った。どこでだろうか。おそらくクラスメイトではなかった…ハズである。

「ほら、いないって。あたしと一緒に帰ろうよ！」
隣の女子生徒が男子生徒の腕を引きながら言う。

こちらはまったく見覚えがない。そもそも芹沢が覚えているのはクラスメイトくらいだが。軽くパーマした髪も、少し着崩した制服もよく似合っている。おしゃれな人だ。

なんなんだ、一体。誰もいなくても一応図書館なので、会話は外でして欲しい……。