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すやすやと気持ち良さそうな寝息を立てて眠る綾の横顔を見つめる。 寝てる時は大人しいんだな。まっ、暴れられても困るけど。 閉じられた目元からは長い睫毛が伸びている。 綺麗な桃色をした唇も愛らしい。 部屋に連れてきたものの、特にやることも話すこともなく、綾は早々に眠りについた。 男の前でこんなに無防備に眠るなんて、どういう神経をしているんだろうか。 一先ず、同じ部屋になったわけだし……。退屈はしなさそうだな。 偶然一人部屋で助かった。 他の奴等がいたんじゃ、綾を部屋に連れてくるなんて土方さんは許さなかっただろうし。 「……ぅぅん」 寝言を発してゴロンと寝返りをうつと、白い足が投げ出される。 ーーゴクリ。 いや、流石に寝てる女に手出すのはだめっしょ。つーか、反応がなきゃつまんないし。 綾の横に寝転ぼうとすると、スッと襖が開いた。 「よっ。平助……ってあれ。その女……」 「新八さん。俺になんか用?」 新撰組二番隊組長 永倉新八(ながくら しんぱち) 長身で、いつも長い黒髪を緩く結んでる新八さんは、兄貴みたいな雰囲気がある。 新八さんの視線は必然的に、綾の方へと向けられた。
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