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「ほら、こっち来て」 綾はただ僕を心配して純粋な気持ちでそう言っているのに。 布団の上に座る綾は立っている僕から見れば当然上目遣いをして誘っているように見えてしょうがない。 「ほ、本当に大丈夫ですから」 「嘘よ。さっきより赤いもの」 それは綾のせいなんですよっ……! なんて心の声を口に出す事は出来ない。お互いに頑固なものだから、中々この攻防戦は終わらないだろう。 どうにかこの状況を打開する事が出来ないかと腕を組んで考え始める。 「稔麿っ! ボーッとしすぎ!」 「あっ、わっ、ちょっと……!」 ドサリ、と二人で布団に倒れこむ。 いけないと思いパッと身体を起こせば、僕の下には髪が乱れて赤い顔をしてこちらを見る綾の姿が。 「な、何よ! そんなジッと見ないで!」 そうは言われても、頬を染めた事で益々色っぽさが増した綾から目が逸らせなくなっている。 白くて細い両手首は僕の片手で簡単に一つに綾の頭の上に纏められた。 ゴクリと喉の鳴る音は僕のものか、それともーー。 「ど、どうしたの? ……んむっ! と、しまろっ!?」 抑えが効かなくなって、薄い桃色の唇に啄むように口付けをする。 真っ赤になる綾が可愛くて何度も何度も唇を重ねた。
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