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この、ふわふわと形容しがたい気持ちはなんなのだろう。
綾と一夜を過ごした事によって気持ちは昂っていて、今日の会合にはいまいち身が入らない。
「吉田。最近女を囲ってるそうじゃねぇか」
「囲ってる、なんて言い方は良してくださいよ。僕は本当に好いているんですから」
そう答えれば周りは驚いた様子で目を見開き、少しして”冗談だろ”と笑い飛ばす。
だけどそれも束の間。すぐに真剣な顔付きに変わった。
「新撰組に捕まったあいつをどうする。あいつが口を割ったらやばい事になるぞ」
今日の話の目的は、最近新撰組に捕まった一人の男について。
表向きは何の変哲も無い商人を装わせていたが、裏では武器の流通や長州藩との様々なやり取りをしていて。
どうしてかは知らないが新撰組に嗅ぎつけられ、捕まるという始末。
「口を割ってなきゃ良いが……。確かめる術はねぇ。今は話してもどうにもならないな」
その一言は会合の終了を表していて、僕は早々に席を立つ。
「飲んでいかないか?」
「待っている人がいますから」
何故だか、無性に綾に会いたくなった。
いや、会わなければいけないと僕の本能がそう告げているようで、足早に藩邸へと戻って行く。
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