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まあでも、関係ないか。今更どんな趣味の野郎が来ても驚かないし。 藤堂や斎藤、沖田などの個性の強い彼等を見たから、それ以上に面倒くさい奴はいないだろう。 「別に平気よ。今更気にしないで」 「だーめ。綾が他の奴と一緒にいるなんて、俺は許さないよ。俺のなんだから手でも出されたら困る」 誰も出さないっつーの。こんなところに捕らわれている女なんて、気味が悪いに決まってる。 そうは思ったけど、口に出したってこいつが聞くとは考えられない。 黙って蔵に行こうとすると、藤堂は私より先に蔵の前に行ってその場に座り込んだ。 「綾が蔵に戻るってんなら、俺はここの前にずっといるよ」 「なっ……馬鹿じゃないの!? ちょっと、としぞーさん。こいつ、どうにかしてよ」 「名前で呼ぶな。……戻れ、平助。風邪引くだろ」 「蔵の中の男、始末し終えるまで綾を俺の部屋に置いて良いなら」 にこりと笑うと、土方は呆れたようにため息をついて”勝手にしろ”と呟く。 雨が降り続く中、先に屋敷の中へと土方の姿が消えていく。 「やった。これで綾と一緒に過ごせる。ほら、行こう?」 「……なんなの? 何が目的なの? あんたの考えてることって、全くわからない」 優しくしたり酷くしたり、こいつのしたいことは理解が出来ない。
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