◆もう一人の佐藤梢◆

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◆もう一人の佐藤梢◆

矛盾点を突いていく前に、一つだけ記述したい事がある。 遺体となって発見された彼女からすれば本当に悲運といっていいくらい迷惑な話しであったろう。 彼女が亡くならなければいけなかった理由が名前にあるからだ。 亡くなった佐藤梢さん。 実はこの事件には彼女の他にもう一人キーマンとなる女性が存在した。 その女性の名は 『佐藤梢』さん。 そう、実はこの事件には同姓同名の佐藤梢さんが二人関与していたのだ。 その女性は亡くなった佐藤梢さんの同級生で友人でもあり、小原勝幸さんの彼女でもあった。 神様のイタズラとでも言うべき偶然である。 つまり小原さんには二人の佐藤梢という知り合いがいて、一人は彼女の佐藤梢、もう一人は友人である佐藤梢だった。 ややこしくなるので亡くなった佐藤梢さんを佐藤さんA、小原さんの元彼女を佐藤さんBとする。 もし佐藤さんAが一文字でも違う名前だったら、そして小原さんの安易な発想がなければ少なくとも佐藤さんAは亡くならずにすんだはずだ。
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