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佐藤さんAの失踪日の翌日、6月29日の午前9時ごろ、小原さんは弟夫婦が住む田野畑村を一人で訪れていた。
この時、佐藤さんAの姿は無く、さらに小原さんは右手の薬指と小指の根元を怪我しており、その周辺にも傷が多数あったという。
弟が訪ねると
『壁を殴った。』
と答えたという。
怪我をするほど壁を殴るという行為自体もおかしいと思うが、仮に壁を殴ったとしよう。
通常何かを殴る時、五本の指のうち一番怪我をしやすいのは中指である。
これは皆さんの手を見てもらっても分かるが、一番長い指は中指であり、手を握った時に一番前面に突出する指が中指なのである。
なので何かを殴った際に最初に衝撃やダメージが来る指は中指のはずであるが、何故か小原さんは薬指と小指であった。
さらに夕方、病院で診察を受けたところ機能障害を起こすほどの怪我だったそうだ。
握る事は勿論、箸を使ってご飯を食べることもままならない状態である。
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