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蒼「……いや、重水素化リチウム…」
聡「……ナニソレ?沙羅、分かる?」
沙「…………聞いたことはある気がするけど……何に使われてるものだっけ…」
聡「……茜さん…知ってるかな?」
沙「たぶん」
気になった私は湊の妻、茜さんに電話した。
茜さんは2コール目に電話に出た。
『もしもし。どうしたの?聡明くん。湊が欲しいって話?』
聡「違うよ。あのさ聞きたいことがあるんだけど」
『湊の攻略法?』
聡「確かに知りたいけど違うよ」
沙「知りたいのかよwww」
『じゃあ何よ』
聡「重水素化リチウムって何に使うものだっけ?」
『……先ず、どこからその単語が出てきたの?』
茜さんは少しトーンを落として静かに聞いた。
聡「息子にクリスマスプレゼント何が欲しいか聞いたらそれを言ったから」
『君らの息子は随分危ない事をしようとしてるね…』
聡「え?」
ってことは…この人は分かったんだ。
『重水素化リチウムが使われたのは戦時だよ…水素爆弾。分かりやすい言葉を使うなら…原子爆弾』
沙「………………」
聡「………………」
『その子が作ろうとしてるの水素爆弾じゃないかな?子供なら原理を知ることは出来てもその威力までは知らないだろうからね……ましてや、父親が不死身に近いんじゃ次から次へと強い爆弾を作りたくなっちゃうだろうし』
サラッととんでもない事を言う茜さんに私たちは言葉を失った。
蒼「……パパ?…ママ?」
『今の声がその子でしょ?…その子…おそらく天才だよ。だってまだ6歳くらいでしょ?…普通の子ならそんな爆弾の構造式とかは分からないものだし』
聡「……全く…誰に似たんだか…」
『知能は沙羅だね』
聡「うるせぇ」
『ハハハッ、まぁ…その内ダイナマイトとかも作りかねないから気を付けなよ』
そう言うと茜さんは電話を切った。
沙「ファザコンで天才で甘党か…」
聡「色んな意味で将来が心配だよ」
沙「そうだね」
聡「蒼真くん…お菓子の詰め合わせとかでもいい?」
蒼「お菓子!?うん!!いいよ!!!」
沙「……普通にしてればただの男の子なんだけどね…」
聡「うん」
この子…どんな大人になるんだろ?
犯罪者だけは勘弁してほしいな。
美「ママ、唐辛子美味しかったよ!」
沙「は!?唐辛子ぃ??」
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