第1章

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捨てたと言っても。 どうしようもない時があって。 夜の街で、大して知りもしない男に声を掛けられるのを待つ様になった。 欲の捌け口。 そう思ってくれて構わないけど、本当は一人で眠るのが嫌だから。 誰でも良いから傍に居て欲しかった。 「孝之さん…今日は遅くなるかしら?」 美沙子ちゃんの声に考えるのを止めて、笑い掛ける。 「西陽も強くなってきたから、もうすぐ来るよ。お邪魔虫は退散しないと。」 私の言葉に嬉しそうな美沙子ちゃん。
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