第2章~ミク進化する~

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そんなミクが四年生に学年が上がる一、二週間前。何をしても上がらない成績と苦手な授業が行われている授業中は決まって眠くなって居眠りをしてしまったり、ノートの空きスペースに絵を描いてしまう一人娘を心配した母親がある決心をし、それの連絡が休みで皆が揃っていた場所へ入ったのを、ある音が知らせてきた。  ~‥プルルルル…、プルルルル…~。 それは自宅備え付け固定電話が居間や台所に居た家族に連絡が入った事を知らせたもので、それを取ったのは会社の休みで台所に居た母親だ。 『もしもし?…はい、ああ、今うちに居るので、いつでも』 丁度一人で坂本龍馬について語っていたラジオを聞き終えたばかりのミクは、その会話が耳に入り、これから誰かが家に来るらしい事が分かった。だが、「誰か来るの?」という質問はあえてしなかった。でもそれは興味が無いからでは無く、誰が来るのか?にだいたいの見当がついていたからだ。~…それから約二、三十後、家の庭に見当をつけていた人物が到着した。  家庭教師だ。 {こんにちわ。お待たせ致しました。} 家庭教師は、女の人だった。  ミクは特に進学校を賭けているワケでは無かったが、小学校に入学して以来ずっと成績が目覚ましく無かったから、その為だ。  それに、ミクは一年生だった時、自分の名前を、ひらがな。カタカナ。漢字。どちらでも書けなかった。 生まれてすぐ小児痙攣を起こしたり、高熱を出して救急車で運ばれたりする事が幾度もあり、身体があまり丈夫とは云えない方だったので、家にいる時は早寝早起きを徹底され、元々の食もかなり細かったので好き嫌いなくなんでも食べればOK!という所に重点を置かれてきたので、クモンなどの小さい子供にも学習させる。なんて事は誰もさせなかった。というより、多分させる気持ちにはならなかったのだろう。
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