第2章~ミク進化する~

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 でも、その意味がミクにはどうしても分からなかったから、 「なんでですか?」 と聞いた。けれど彼女は余計イライラした感じになって、 {‥え?分からないの!?} と聞き返した。けれど、本当にまったく分からなかったので正直に頷いた。 「はい。」 そうしたら発音不明な唸り声を小さく低くあげて肩まで延ばしている髪を二、三度ワシャワシャと乱暴に掻きあげたが、でも、本当にミクには分からないのだ。  だって、テストがまだある?と聞かれたから、かなり気を利かせて全部綺麗にまとめてあるやつを出して持ってきたわけだし、見やすいように一年生の時のから順番に並べたわけだし、変な風に置いたら失礼だから全部の角と角を合わせて列を整えたわけだし、だから{わぁ。綺麗に良く並べてくれたわね。}等の褒め言葉を期待してたのに…。まさか{あのさ…、普通はね‥‥、順番に並べるんじゃ無くてさ…‥、これから四年生になるんだったら、去年の、三年生の時受けた後半のテストを見せるし……、うん。せめてもっと見せたとしても三年生始めた時からのテストまでだよね?}なんて酷い事を云われるなんて想像して無かった…‥。だって、{ある?}と聞いてきたから自分はちゃんと一年間分ずつまとめて片付けておいた物を全部出したわけだし、でも、{いつ頃に返されたテストを何枚}という風には云われ無かったから、全部年代順に綺麗に並べたのに、何故?注意されなくちゃいけないんだろう?それが分からない。~でも、彼女は本気で不機嫌だし、本気で怒ってる感じだ。  {……ねぇ、ミクちゃん、常識って分かる?} なんでだろう?どうしてだろう?と見当たらない原因を捜して悲しい気持ちになってきていたら、不意にそう聞かれたので、答えた。 「‥分かります。本当は何があっても嘘ついたら駄目で、他人を傷つけたり、監禁したり、殺したりしたら駄目。」
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