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空から雨がチラチラと降り始める。それは、まだ地面がすべて濡れない程度であるが、いずれ激しさを増すだろうことが分かった。
空をもう一度見上げると、雨雲がさらに黒くなっており、不吉な何かが起こることを暗示しているようだ。
ドアの前に立ち尽くすライム、良、佐織、美代。
四人とも言葉を発せず、黙ったままである。
もう一度、ライムがドアを開けようとするが、ドアは開かない。
力ずくで引っ張っても、ドアノブを回す方向を変えても、何をしても開くことはなかった。
「………き…………よ」
ライムは、振り返る。良、佐織、美代以外は誰もいない。
気のせい………か。
「こ………き…………よ」
どうやら、ライムの気のせいではないらしい。何も言わないが、良、佐織、美代も辺りを見回している。どこから声がするのかを探すように。
「こっち向きなよ。」
今度は、はっきりとした声で聞こえた。
最初に、それを見たのは佐織だった。
さっき、ライムたちが立って話していた場所に理科室、食堂で目にしたあの白いモヤが現れていたのである。
ライム、良、佐織、美代の四人は、その白いモヤを見つめる以外、できることはなかった。
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