第1章

109/234
前へ
/234ページ
次へ
まず、白いモヤは下のほうから集まり、次第に上へと上がっていく。 どんどん、白いモヤが濃くなる。 あ………あれは? ライムはすぐに思い出す。理科室で安芸先生が見せた映像。その中に、長府学園の制服を着た少女がいた。見覚えはあるが、どこで見たのか分からない少女。 その少女の姿を白いモヤが形どる。 その少女は、ライムたちに何かを訴えるよな目で見ている。その目は心なしか寂しそうに感じる。 そして、白いモヤはまた四方八方に散る。 今度は、数分経過しても四人の前に白いモヤが現れることはなかった。 ようやく、四人の前に現れた白いモヤが消えた瞬間だった。
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

515人が本棚に入れています
本棚に追加