第1章

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「結局、五時間目は受けれなかったな。」 ライムは、もともと授業をさぼることはない。それは、良、佐織、美代も同じである。四人とも授業をさぼったことなど一度もなかった。 長府学園は、進学校であるため、基本的に高校を卒業してあとの進路はほぼ、大学へと進学する。もし、大学へ進学しない生徒がいるなら、その理由の大半が経済的な理由からである。 だが、四人は言葉には出さないものの、五時間の授業を途中から受けることにならないでホッとしたというのが本音だった。 何が起こるか分からない恐怖と、自分が殺されてしまうのではないかという不安を抱きながら、授業を受けるなど考えたくもない。 しかし、六時間目からはまた授業を受けなければならない。サボることも可能だろうが、それはできない。 結局、いま直面していることを解決するためには、逃げてばかりでは前へ進まないからだ。 そして、四人は教室へ向かうのである。
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