第1章

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佐織と美代は、ライムたちと分かれてすぐに近くの女子トイレに入る。 佐織は、トイレの鏡を見つめる。 ひどい顔……… 佐織の顔は、あきらかに疲弊していた。それは、鏡を見てもすぐ分かるほどに。 「佐織、大丈夫?」 美代が横から話しかける。 「うん。美代こそ大丈夫?」 「大丈夫だけど………佐織、顔色悪いよ? ほんと大丈夫だよね?」 佐織は、両頬を両手の手のひらで左右パンパンと叩く。自分自身に、しっかりしろ!と話しかけるように。 「大丈夫そうね。」 美代は、両頬を強く叩きすぎて、両頬が赤ちゃんのように赤くなっている佐織を見て、うっすらと笑う。 それを見て、佐織もうっすらと笑う。 元気が出てきた。頑張らなくちゃ! 佐織はそう思う。 「そろそろ行こっか!」 「うん!」 二人は、女子トイレを出て、教室へと向かう。
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