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「んじゃ、手分けして探したほうが良くないか? その方が早く見つかるし、一階は美代ちゃん、二階は佐織ちゃん、三階はライム、四階は俺ってな感じでさ。」
「はっ? 良くん、それ本気で言ってるの?」
佐織は良を睨みつけるように見る。その横では、美代も良を睨みつけている。
「な、何だよ………じゃあ、二人とも三階と四階がいいのかよ………」
良は、声を小さくする。二人に睨みつけられて怯んでいるようだ。
「良、お前は何が起こるか分からない状況で、一人で行動するなんて危険だと思わないのか? それとも、何か考えがあるのか? あったら聞かせてくれ。」
良が何故、佐織と美代が睨んでいるのか気付きそうにもなかったので、横から口を挟む形でライムなりの助け舟を出す。
「あー。えーと。いや………ないです。」
良は、軽く頭を下げて謝る。
「とりあえず、良の言ったこととは逆になるが何が起こるか、もしかしたら、もう起こっているかもしれないけど、こんな状況で一人で行動するのは危険だ。だから、みんなで行動したほうが一番、安全だと思う。みんな、どうする?」
佐織と美代はお互いに顔を見合わせ、
「ライム君に賛成」
と言う。
そして、良もボソッと、俺も賛成、と言ったのである。
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