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一階へ降りた四人は、三年生の教室に誰かいないかを確認する。
普段、三年生の教室の前を通ることはない。上下関係とかは、特にないのだが、三年生の一番端の教室の横に隣接する職員室に行くことがないかぎりは通らない。
もちろん、上級生の教室の前を下級生が通っただけで因縁をつけられるわけではない。ただ、心理的に上級生の教室の前を用がないかぎり通りたくないというのは心理的なものである。
四人は一通り、三年生の教室を通り、確認したが、誰もいない。
「誰もいねぇ。どうなってんだよ………?」
良は、この状況に焦りを感じているようだった。それは表情を見てすぐに分かる。
だが、それはライムも佐織も美代も同じである。動揺するといけないという思いから、できるかぎりそのような表情はおもてに出さないよう注意しているだけであった。
それなのに………こいつときたら………
ライムは、良の顔を見て、半ば呆れ顔になる。
だが、それを注意して雰囲気が気まずくなっては困るのでそのまま放っておくことにする。
そのとき、良はアッとひらめいた顔をする。
「そういや………俺たち、すぐそばにあるのに何で職員室を確認しないんだ?」
そうだったのである。三年生の一番端の教室まで確認した。しかし、何故か避けているわけではないのに、その横にある職員室を調べることは誰もしなかったのだ。
良が気づかないと、あやうく確認せずにいくところだった。
四人は、職員室へ向けて歩き出した。
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