第1章

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「やっぱりここも誰もいないか………」 ライムはそう言うと、職員室の中を見て回る。良、佐織、美代も同じようにそれぞれが、中を見回している。 机の上には、飲みかけのコーヒーなどがある状態だ。そして、先生たちのカバンなどもそのまま職員室に置かれているので、すでに帰宅したというのは考えにくい。 ライムはみんなに集まるように声をかける。 飲みかけのコーヒーやカバンがまだあることを話す。それは、良たちも確認しているようで、何かがおかしいことは感じているようだ。 カチャ。 「あれ? いま何か音が………」 カチャ。 「しっ!」 カチャ。 カチャ。 四人は同じ方向を見た。職員室の奥の給湯室が閉まっている。そこから、音が聞こえてきたのである。
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