515人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー。そうか、お前ら珍しくさっきの授業サボっていたんだったよな? 沼田先生からどうしたんですか?って聞かれたぞ。お前ら、どうしたんだ!? いつもはサボらない真面目なメンバーが………」
「先生! それよりみんなは!?」
「まあ、サボった話はあとだな。みんなは、体育館だ。さっきの授業で各クラスに連絡はしているが、お前らいなかったんだから仕方ないか。ほら、早く行け。」
そう言われ、四人は職員室を出る。
「体育館………?」
「ちょっと安心………かな?」
「だよな。ハハ………みんな消えたりするわけないよな………」
みんな、気持ちを前向きに持とうとしているのが分かった。
良は、無言のライムに
「どうしたんだよ、ライム?」
と聞く。
ライムは口を開く。
「おかしいと思わないか? 普通、全体集会があるなら朝のうちに連絡があるはずだ。でも、今回はなかった。」
「たまたまじゃ………」
「ちがう。もし、急に決まったんなら各クラスの先生だけでなく、いつもなら念のために校内放送でそれを流すはずだ。だが、今回はそれもない。何かがおかしいと思わないか?」
ライムの言うとおりだった。
「だったら俺たちはどうしりゃあ…………」
と良が言いかけたとき、職員室のドアが開き、
「お前ら、さっさと体育館に行けっ!! 全体集会は、はじまってんだぞ!!」
と安芸先生の怒鳴り声が響く。
「すみません! いま、行きますから!!」
佐織と美代が謝ると、安芸先生は職員室のドアを閉める。
「体育館に行こう。おそらく、そこで………。とりあえず、みんな、気を抜かないでくれ。いいな?」
ライムは、真剣な表情だった。
そして、四人は体育館へと向かう。
最初のコメントを投稿しよう!