第1章

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「あー。そうか、お前ら珍しくさっきの授業サボっていたんだったよな? 沼田先生からどうしたんですか?って聞かれたぞ。お前ら、どうしたんだ!? いつもはサボらない真面目なメンバーが………」 「先生! それよりみんなは!?」 「まあ、サボった話はあとだな。みんなは、体育館だ。さっきの授業で各クラスに連絡はしているが、お前らいなかったんだから仕方ないか。ほら、早く行け。」 そう言われ、四人は職員室を出る。 「体育館………?」 「ちょっと安心………かな?」 「だよな。ハハ………みんな消えたりするわけないよな………」 みんな、気持ちを前向きに持とうとしているのが分かった。 良は、無言のライムに 「どうしたんだよ、ライム?」 と聞く。 ライムは口を開く。 「おかしいと思わないか? 普通、全体集会があるなら朝のうちに連絡があるはずだ。でも、今回はなかった。」 「たまたまじゃ………」 「ちがう。もし、急に決まったんなら各クラスの先生だけでなく、いつもなら念のために校内放送でそれを流すはずだ。だが、今回はそれもない。何かがおかしいと思わないか?」 ライムの言うとおりだった。 「だったら俺たちはどうしりゃあ…………」 と良が言いかけたとき、職員室のドアが開き、 「お前ら、さっさと体育館に行けっ!! 全体集会は、はじまってんだぞ!!」 と安芸先生の怒鳴り声が響く。 「すみません! いま、行きますから!!」 佐織と美代が謝ると、安芸先生は職員室のドアを閉める。 「体育館に行こう。おそらく、そこで………。とりあえず、みんな、気を抜かないでくれ。いいな?」 ライムは、真剣な表情だった。 そして、四人は体育館へと向かう。
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