第1章

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四人が体育館に着くと、校長先生がいつもどおり舞台の上で、教卓のマイクに向かい、話をしている。 ライムたちは、遅れてきたのでクラスの一番後ろに座る。 校長先生は、学校生活、進路など何やら熱く語っている。 中学生だとこのような話は暇なのでざわつきもするが、高校生となるとそれはなかった。あるかもしれないが、長府学園ではまずない。 校長先生が話をしているとき、体育館のドアから誰かが入ってくる。 入ってきたのは、安芸先生だった。安芸先生は、さきほどまで職員室にいたので遅れて来るのは当たり前である。 そして、安芸先生が入ってくると今度は沼田先生が安芸先生に軽く頭を下げ、体育館から出ていく。 おそらく、職員室の見張り番だろう。体育館などでの集会の時には、念のため、先生一人は電話番の目的もあるが、防犯上のことも考えて、誰か一人は職員室にいなければならない。 再び、教卓へと視線を戻すと校長先生はまだ熱弁をふるっていたのである。
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