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「みんな座ったな? そうそう。ケータイとかで連絡したいならしていいぞ。できるならな。」
だが、ケータイが何も起動しないのはすでに分かっていた。ただ、電波が悪いのかとも考えたが、通話やメール、ネット、アプリというように、体育館に入った瞬間から何も起動することはできなかったのである。
「それじゃあ、みんな。ケータイの確認は済んだかな? 写真でもムービーでも好きなだけとっていいぞ。」
安芸先生は、ケータイが使用不可能であることを知っていながら、からかうような表情を浮かべ、みんなにあえてそう言った。
「校長先生を見ろ。」
安芸先生の横で、校長先生はかろうじて意識を保っている。
「校長先生、何でこういうことになったか分かるよな? それを生徒に校長先生から語ってくださいよ。」
校長先生は、首を横にふる。
「じゃあ、仕方ない。」
校長先生の横に、また白いモヤが現れる。そして、校長先生の体のなかに入っていく。
校長先生の体が小刻みに震え出す。
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