第1章

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外から見ると、外はぼんやりと白い霞のようなものがかかっている。だが、それは、長府学園全体を覆っており、外から見ても「霧がかかってるね。」とかそのような会話ですむレベルである。 体育館の方を職員室から見つめている人影がある。 コンコン。 職員室のドアをノックする。 「食堂の荻野ですけど………」 「どうぞ。入ってください。」 食堂の荻野が入ってくる。 「荻野さん、処理はもう終わりました?」 「ええ。終わりましたよ。でも、もしかしたら、見られちゃったもね。」 「食堂入口の血とかも急いでみんなで拭いて、死体も焼却炉に持っていってとかしていたら、急にライム君たちがはいってきて、おばさーんって呼ぶもんですから。」 「ライム君たち?」 「おばさーんって呼んだのは佐織ちゃんだったかな。あとは、良くんと美代ちゃんもいたわね。特に、ライム君は勘が鋭いから何か感づいたかもしれないかな。」 「そうですか。でも、もうどうにもできませんよ。あと、食堂のみなさんも私たちに協力してくれてありがとうございます。」 荻野は、そんなことない、と首を横にふり、職員室から体育館を見る。 「はじまってるわね。」 「はい。あとは、待つだけです。好きなようにさせて、どうなるのか。私も安芸先生も最後は任せるしかないんです。」 「綺麗事ではやっぱり、もう済まされないからねぇ。」 二人は、そう言うとどこか悲しげな視線で体育館を見つめていた。
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