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惨状を目にして、立ち尽くすライムたち。ライムが美代に目をやると、美代もその光景には耐え難いものがあるような表情をしていた。
トン。
トントン。
トントントン。
体育館の上の方から音がする。どうやら、また雨が降ってきているようだ。
軽く指でドアをノックするような雨音。それがいきなり、ザーと音を立て、大雨へと変わる。
安芸先生の気持ちはどうなんだろうか。
白いモヤの少女の気持ちはどうなんだろうか。
本当に、やりたくてこういうことを、このような酷いことをしたのだろうか。
そして、何で、ライム、良、佐織、美代の四人だけ生きているのか。
何より、わざわざ一年生がいない今日なのか。
様々なことが脳裏をよぎっているとき、前方から、後方からと次々と悲鳴が聞こえてくる。
やっぱりか………。
予想はできた。周りの生徒たちが全員殺された。
それなら、次はいつの間にか生徒を守ることもせず、体育館のあちらこちらへと姿を消した先生たちが無事で済むはずがないということを。
生徒を守らず、真っ先に逃げる。生徒を思いやる心すらないか………。自業自得だな。
ライムは、心の奥底でそう感じている自分がいることに気付いていなかった。
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