515人が本棚に入れています
本棚に追加
2年4組の教室。
いつものこの時間は、明日の連絡事項などがあり、それを聞きながらみんな帰る準備をしている。
しかし、今日はそうではない。いつもいるはずのクラスメートはおらず、教室にいるのは五人だけである。
昨日までの日常が嘘のようだ。刺激のある毎日に憧れた。しかし、それがこのような形で現実になるとは、思いもしなかった。みんなは、どう感じているのだろう?
ライムは一人ひとりの顔を見た。
「ねえねぇ?今日どこか行かない?」
「みんなでカラオケ行くとかは?」
「いいね!いいね!」
佐織は、仲の良いメンバーでした会話を思い出す。だが、もうそのメンバーは美代しか残っていない。悲しい現実に直面し、頬から涙がつたう。泣いても泣いてもその涙は、なかなか涸れそうにない。
佐織は、ただただ泣くことしかできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!