第1章

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2年4組の教室。 いつものこの時間は、明日の連絡事項などがあり、それを聞きながらみんな帰る準備をしている。 しかし、今日はそうではない。いつもいるはずのクラスメートはおらず、教室にいるのは五人だけである。 昨日までの日常が嘘のようだ。刺激のある毎日に憧れた。しかし、それがこのような形で現実になるとは、思いもしなかった。みんなは、どう感じているのだろう? ライムは一人ひとりの顔を見た。 「ねえねぇ?今日どこか行かない?」 「みんなでカラオケ行くとかは?」 「いいね!いいね!」 佐織は、仲の良いメンバーでした会話を思い出す。だが、もうそのメンバーは美代しか残っていない。悲しい現実に直面し、頬から涙がつたう。泣いても泣いてもその涙は、なかなか涸れそうにない。 佐織は、ただただ泣くことしかできなかった。
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