第1章

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なんで………なんで………俺がこんな目にあわないといけないんだよ! 良も佐織と同じく泣きたかった。しかし、男というプライドもあり、泣くわけにはいかない。 ましてや、高校生にもなって、怖さのあまり泣き出すなんてもってのほかである。 いつもなら、今頃、家に帰ろうとしているんだよなぁ。それか、どっか寄ってぶらぶらしたり、ライムとおしゃべりしたり、なんだかんだいってライムの部屋に上がっていりびたったり、色々できたのになぁ。 でも、それももうできないのかな……… 良は、頭を両手で抱え込み、うつ向いていた。前向きにもなれず、楽観的にもなれず、悲観的になるしかなかったからである。 良は、いま起きている現実を受け入れ、落ち込むのであった。
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