第1章

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美代は、急な眠気から少しだけ眠りに落ち、目を覚ましたときのことを思い出す。 いつもと変わらないが、何かがおかしいと感じさせた。 一時間目が終わってあとの休み時間、安芸先生に呼ばれた。誰もいない実験室に。 安芸先生の机にはガスマスクが置かれており、ハンガーにはいつも着ない黒いスーツがかかっていたのを覚えている。 そのとき、安芸先生は、いま起こっていることを話した。そして、その日のうちに起こるだろうことも話した。 しかし、私は、「先生、本気で言っているんですか?」と笑い飛ばした。でも、先生の目は真剣だった。 安芸先生は、少し遅れてライム、良、佐織も「ここへ」来るだろうと言った。 私はまだ、このとき何のことか全然分からなかった。一瞬、安芸先生の頭がおかしくなったのだろうか?と思ったぐらいだ。 でも、本当にそれが起こってしまった。安芸先生が言っていたとおりのことが。できるかぎり、冷静さを保って何かできることはないか考えた。安芸先生の行動を止めるために。 でも、結局はただ見ていることしかできず、何も変わらなかった。 安芸先生が美代に話したことを思い出す。しかし、安芸先生は美代に語らなかったことがある。 何故、安芸先生がこのようなことをしたか? 白いモヤが時折、少女へと変わった。 あの白いモヤと少女は何者だろうか? それは、安芸先生しか知らないこと。 それと………… 安芸先生が言ったとおりになった。しかし、「そのあとのホームルーム」ということは聞いていなかった。 美代は、もう覚悟していた。 私は……………… 私たちは……………… 全員……………… 全員、殺される とー。
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