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静まり返る2年4組。
窓からは、冷たい風が吹き込む。夏が終わり、秋がおとずれる。その秋風は涼しいような寒いようなどこかしら気持ちよさを感じるものだ。
だが、いまはというと違う。秋風の冷たさが、静寂に拍車をかけるように、さらにどんよりとした気分になる。
安芸先生は、教壇の上に立ち、みんなを見つめたかと思えば、外を見たり、少し教室を歩き回ったりとなかなかホームルームを始めない。
何か準備をしているのか。
まだ、ホームルームを始めるわけにはいかないのか。
それとも、誰かを待っているのか。
安芸先生が、教室の外へ出る。廊下を見ているようだった。
ライムたち以外は、この長府学園にはもう誰もいない。
誰もいない…………………はずだ。
コツ。
コツコツ。
コツコツコツ。
廊下に足音が響き、それがどんどん近づいてくる。
気のせいではなかった。
良も、佐織も、美代もその足音に気づいたようでそれぞれの顔を見る。
一体、誰が…………………?
足音は、2年4組で止まるとは限らない。
通りすぎるかもしれないし、または一階、三階のどちらかへと遠ざかるかもしれない。
しかし、足音は近づいてくる。
どんどん近寄る。
安芸先生が教室の中に入ってくる。
近づいてくる足音は、やはり2年4組の前でピタッと止まる。
四人は、身体中が冷や汗でぐっしょりしている。
「さて、みんな待たせたな。少しばかり遅くなってしまったが、ホームルームを始めることにしよう。」
安芸先生の合図を待つように、もう一人の人物が教室の中へと入ってきた。
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