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某月某日
突然だけれど、今の僕の現状から話すよ
簡潔に言わせて貰えれば、僕は“風に吹かれて空を舞っている”……かな?
アハハ、突拍子も無い事だとは重々、百も承知だよ
でもそれは、僕が“一反木綿”だから仕方の無い事なんだ
「風が心地いいなぁ~……。このまま、何処迄も何処迄も、自由気儘に飛んでいきたいよ」
ふわりふわりと田舎町の空を、風に吹かれた蒲公英の綿毛の様に飛んでいく僕
そうだ。僕の自己紹介をしておくよ
僕の名前は布崎もめん。薄い桃色のショートヘアに碧色の瞳、顔は童顔で肩から胸元まで開けた、桃色のちょっとぶかぶかな着物を着ているよ。一人称は僕で、所謂僕っ娘って奴さ
好きな言葉は自由気儘。好きな事はこうやって、空を自由気儘に風の赴く儘、飛んでいく事だよ
「今日は、何処迄飛んでいこうかな?うん、やっぱり風の赴く儘、自由気儘に飛んでいくとしよう」
のんびりした声色で僕は呟き、風に身を任せる
ひらりひらひら、風の赴く儘に僕は飛ぶ
でも飛んでいて少しした頃、僕は飛ぶのを止めた
何故なら……
「相も変わらず、そうやって空を漂っているのかしら?布崎もめん」
「その声……八雲紫さんかい?」
僕の目の前に、金髪の美女が空間の裂け目から上半身だけを乗り出して出て来たからだ
僕が空中でバランスをとって静止すると、金髪美女の八雲紫さんはクスクスと口元を扇子で隠して笑う
「フフフ。お久し振りね、布崎もめん。元気そうで、なによりだわ」
「うん。僕は元気に自由気儘に、風の往くままに飛んでいるよ。そういう紫さんも元気そうでなにより。式の藍さんも元気かい?」
「えぇ、彼女には元気良く働いて貰っているわ。正直助かってる」
「そうかい。それは良かった。ところで……僕に何か用なのかい?紫さん自ら、僕に会いに来るなんて珍しい事じゃないかな?」
僕は首を傾げた。彼女が自ら出向いてくるなんて、本当に珍しい事だから
でも、八雲紫はふるふると首を振る
「大した用じゃないわ。ただ、たまにはこっちに遊びに来ないのかと思っただけよ」
「何だ、寂しかったのかい?」
「暇で死にそうなだけよ。だから、友人を幻想郷に招こうと思っただけ」
「アハハ、貴方らしいね」
僕はふわりと八雲紫の傍に寄り、ニコリと笑みを浮かべた
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