2限目。涙の策略。

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院に進む奴等は俺みたいに就職難やら教授狙いの他に、武井みたいな金持ちの遊びたい奴もいるから厄介だ。 羽振りがいいし嫌味もないが、バイトに日々追われていた俺は食べ放題飲み放題の6000円は二週間の食費だから痛手だった。 女と付き合うのは悪くはないが、元を取ろうと必死で食べる俺に話しかけられるのは少し邪魔だ。 元カノが『私とバイトどちらが大事なの!?』というタイプだったから付き合うなら慎重にしたいし。 「分かった。奢る」 渋る俺に、武井は表情も変えずに言う。 「今日の三次会まで。いやお持ち帰りのタクシー台まで俺が持つから」 「二次会は行かない。無理」 「じゃあ、人数合わせに一次に居てくれるだけでいいから」 「…………」 頼む、と頭を下げられては悪い条件でもないし頷くしかない。 「取り合えずシャワー浴びてくる。何時から?」 「七時に駅前。悪いな」 「分かった」 伸びた髭を擦りながら溜め息が溢れる。 食べ放題食べ放題食べ放題。我慢我慢我慢。
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