2限目。涙の策略。

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「新婚旅行中に帰らせてごめんなさい。これからも成績は不安定になるかと思うけど、俺、頑張るから」 「涙ちゃん……」 「兄さんは憧れなんだ。綺麗な顔なのに苦労してて、努力家で、安い服も兄さんが着ると一流のブランド服みたいで」 ちょくちょく馬鹿にされてる気がするが、睨もうにも母さんに睨まれていて何もできない。 「だから兄さんみたくなりたくて。兄さんと同じ大学を受けたくて。暫くはそっちの教科に力を入れようと思ってるんだ」 「はぁ!?」 「ごめんね。兄さん……。迷惑だよね?」 うるうると涙を浮かべる涙。 鬼の形相で俺を睨む母。 俺と涙が仲が悪いのかと複雑そうな義父。 ――完全に悪者じゃねーか。俺は。 「お前の進路はお前が決めるんだから俺は知らない」 「……でも、俺が嫌いだよね?」 今すぐ胸ぐら掴んで殴ってやろうか。 それよりも、上の服を脱いでこいつに噛まれた後やキスマークを見せてやろうか。 睨み付けていたら、義父が提案してきた。 「涙の勉強を見てやってくれないか? 夏生くん」 「は?」
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