6105人が本棚に入れています
本棚に追加
/434ページ
「げー。本当に来てる。帰れよ、オカマ」
兄さんに映える紫色のソファ。
兄さんに似合うと思ったエルメスのグラス。
それに座るのは、三つ編み頭の金髪のオカマ。
長い一つに括った三つ編みを肩から流し、手入れされたピカピカの長い爪、付け睫にぷっくりと濡れた唇。
喋らなければちょっと派手な女みたいな、金髪オカマ。
「だってぇ。お兄ちゃんにはお店出してもらった恩があるし断れないじゃん?」
某夜の町で、コスプレオカマバーを経営している腹黒オカマ。
腹黒なのは遺伝かもしれないが。
「でも綺麗な子ねぇ。サラサラの黒い髪、真面目そうなあの眼差し。乱したくなるの分かるわぁ。組敷いて、開発したーい!」
「は? あれは俺の兄さん。俺がよがらせるんだから。お前出てくるなよ。オカマのくせに」
年が近いせいでよく遊ばされてたけど、こいつとは好みが全く一緒だからタチが悪い。
「でも夏生くんが誰を好きになるかは自由よねぇ」
最初のコメントを投稿しよう!