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『あんたさ……。まだアクセサリーつけてるでしょ?』
「アクセサリー?」
『GPSがついた無線機』
言わんとしていることがわかり、ああと呟く。
『僕、言ったよね?“貴女と二人で話したい、保護者はいらない”って……』
「……言ったわね」
男を刺激させないように、慎重に言葉を選びながら会話する。
『……アクセサリーを途中にあるダストボックスに捨ててこい。わかってるだろうけど、スイッチは切って。それと……あんたが持ってる武器の類いもだ』
それだけを言うと一方的に通話を切られた。
軽く舌打ちをし、走り抜けるようにして、指定の場所を目指す。
ダストボックスが見えてきた。
無線機を乱暴に外し、ダストボックスに放り投げた。
同じようにして、腰に携帯していた銃とナイフを外し、乱暴に放り投げる。
深呼吸をして、昂る気持ちを落ち着かせ、そのまま歩き出した。
指定された場所――東館の男子トイレの前に立つ。
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