クロス・ギルティ

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「……約束だから」 どこから電話をかけている? 周囲を見渡す。 千冬副隊長にもこの会話は流れている。 指示を出しているのだろう。 テナントビル全体に、統率の取れた、張り詰めたような空気が動いているのがわかった。 『ふっ……ククッ……』 突如、スマートフォンの向こう側から押し殺したような笑い声が聞こえた。 『もしかして……僕を探してるの?』 おかしくてたまらないと言った風な男の声――。 「まぁね……。一方的に呼び出しといて、電話だけなんて……あんまりでしょう?」 男の声に皮肉で返す。 『あんまりなのはそっちでしょう? 僕は貴女に会いたいって言ったんだよ? 貴女と二人っきりでお話したいって……』 男の声から、笑いが消えた。 『誰が保護者を連れて来いって言ったよ?』 刹那。 何かがはぜるような音が響き。 間髪を入れずに、悲鳴が響き渡った。
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