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『……バァン』
スマートフォンの向こう側から男の楽しそうな声が聞こえた。
悲鳴と怒号の響くエントランス――。
前方に煙を吐き出している、ダストボックスが見える。
『それはオモチャみたいなもんだよ。わかってるだろうけど、本格的なやつはエントランスの至るところに仕掛けてあるから』
「……目的はなんだ?」
威嚇するように低い声で問うと――。
『目的? 貴女に会って、お話して、プレゼントしたいだけだよ』
『それだけなのにさぁ……』と男が続ける。
『保護者を連れてくるなんてひどくない? 僕、信用されてなかったんだなぁって思ったらさぁ……』
再び、男の笑い声が消える。
『わかってるよね? あんたがそこにいる四番隊を動かせば……たくさんの人たちが死ぬよ?』
『そういう風に仕掛けたからね……』と男が囁いた。
『あんただけに会いたい。封筒に同封してあるメモを見ろ。そこに記されてる場所に一人で来い』
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