目撃者

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 電気を消すと、外灯の明かりがあろうが、闇に目が慣れていないせいで、視界が真っ暗になった。  暗闇の中で、  首筋がひやりとした。  嫌な予感がしたから早く立ち去ろうと道場を出たところで、  よせばいいのに、  ふと、  思い出してしまったんだ。  武道館2階の噂を――  時間は2時と3時の間。  真っ暗闇。  そして右を向くと、  階段。 ――ぞっとした。 ――怖くなった。  でも、同時に興味が出た。  出てしまった。
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