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及川君は何ものにも囚われず、
自由で、
飄々としていた。
生きていても死んでいても、囚われの身である僕とは正反対。
また、芸術肌であり、奇矯な振る舞いをしていて、形式ばった僕の心を惹きつけた。
しかし不思議なことに、
彼は僕とは正反対の筈なのに、何となく雰囲気だけは似ていた。
そうやって、彼に魅せられていった。
が、及川君は、とても感性の鋭い子らしく、
僕の存在に無意識ながらも感づき、
その上で、沈木で牢を造り、
僕を其処に追い遣ってしまう。
僕は益々身動きがとれなくなった。
死んだときと同じように、窓下に座る毎日を送って過ごした。
ただ及川君に、思いを馳せながら。
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