福島、会津若松へ

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看護師さんと手続きと簡単な問診をして、叔父さん達とて身近にこれからの事を決めると、私と母はそのまま病室に残り、叔父さん達は帰って行った。 父は結構広めの個室に入っていた、父のベッドの隣りには、簡易ベッドがあり、母は「疲れた。」と横になった。 いっの間にか5時近くになって、窓の外は少し白み掛けて来て明るくなってきていた。 何やらカラスが鳴き始めて、まだ暗いのに騒がしいと思った。 すると、父が「遠くから、大変だったなぁ~」と言った。 私は「本当だよ!」と怒った様に言ってしまった。 まだ、父の状態をよく理解していなかったのだった。 簡易ベッドに寝ている母はイビキをかいていた。 仕方なく、私は椅子をくっつけた上に毛布にくるまった。 ちょっと湿度が高く設定され温められた部屋ではあったが、やはり窓や壁の隙間から深々と冷え込んで来ているのが分かった。 何回か看護師さんがチェックしにくる、私は不安定な椅子の上で眠れないまま朝になってしまった。 そして、この背の高い美女と思っていた看護師さんが、朝になる頃、彼女が彼であった事に気付いたのでした。 しばらくすると、病院の朝が動き始めて、取り敢えず母と私は朝食を取ろうと外にでた。 母は現金が必要だと銀行を探すと地方銀行しか無くて、実際その時のカードが使えない状態だった上まだ開いていなかった。 私はコンビニを探して、ここで使えると母に言うと驚いていた。 そしてそこで軽い朝食を取り、病院の事務局へ向かい、これまでの支払いと、改めて入院の手続きを済ませた。 病院の入院は本当に様々な書類の記入がたくさん必要で、そして父の場合、問診で過去の病歴であった若い頃の結核が色々面倒で、いちいちこれからの先への手順を遅らせる原因となった。 それらを済ませて、私はパート先の上司に事の次第を連絡して、しばらく行けなくなる事を電話すると、父の側に居る覚悟を決めたのでした。 母は主治医からある程度の説明を受けると、お昼過ぎに必要な物を取りに一度帰ると、私を残して母は帰って行った。
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