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父は若い頃からスポーツ好き、アウトドア派、特に山が好きであり、春は山菜を、夏は山登り、秋はキノコやモミジ狩りで山を楽しみ、冬はスキーと山の四季と自然を愛し、山草や草花と野鳥の事を良く知っていた。
小さな頃の私は、父は何でも良く知っている人として尊敬していたものでした。
会津の朝はまだまだ冬景色、真っ白に輝く山々が連なっていた。
次の日、担当が替わった看護師さんの方言が優しく感じた。
父は私に気づくとまず、愛車のパジェロはどうした?そして、何時もしていた時計は?
と聞いた。
車は叔父さんが後日、父が泊まっていた民宿に取りに行ってくれる事、腕時計は探したけれど見つけていないと答えた。
時々、気づくと私に「かえっぺ!」と言った。
自分が、どの様な状態なのか?分かっていない様子で、本当にベッドから降りようとするので
「ダメだよ!」と声を荒げてしまった。
今日一日、父は昼も夜も食事が用意される事はなかった。
明日はきっと出るんだろう、ぐらいに思っていたが、その晩、父は熱を出し、それは高熱になり、苦しそうな様子に、また私には不安な夜となった。
先ほどまで話しをしていたのに、喋ることが出来なくなっていた。
一応不安になり母にその事を連絡すると、想定の範囲内だといちいち連絡してくれなくていいと一言だった。
次の日の朝も、熱は余り下がる事が無かったので看護師さんに聞くと、「なじょしたんだべか~?困ったねぇ~。」と点滴の他に脇や鼠蹊部に氷の袋を充てた。
お昼過ぎ、やっと少し熱が下がり始めて、目覚めると「お化けが出た!」と言った。
私は「あっそう。」と相手するエネルギーはもはや無かった。
それから主人に連絡すると「明日、休みを取ったから家族と母を連れて行くから。」と言った。
私はホッとしていた。
「明日は帰れる。」もう早く帰りたい気持ちで一杯だった。
正直、もう数日も過ぎている様な感覚で、度重なるダメージが私自身、疲れのピークになっていた。
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