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それからはら、母と交代しながら会津若松まで通っていた。
少し、落ち着いて来た父ではありましたが、食事が結局、口からの摂取が嚥下が上手く出来ないとみなされ、チューブで鼻から入れることになった。
元々、健康な頃より、よく咽せてしまうタイプだったので日常でも、母にちゃんと飲み込む様に怒られていた。
「情け無い。」と母が言った。
何か?分からないが、母はイラだっていた様に感じた。
父はベッドに寝たままに半月ぐらいたったころ本当に人の身体というのは、筋肉から無くなると聞いていたが、みるみるうちに足が細くなっていく様を目の当たりにして、これでは歩けなくなってしまう、と危機感を感じていた。
あれほど、山で鍛えてきた体なのに、これではリハビリも出来ずにどうなるのか?
私にも解るのだから、元看護師の母は気が気じゃなかったと思われる。
この頃の母は、病院の対応や看護師さん達の動きに、苛立ちを感じ始めていて、私は何時、爆発しないか?とハラハラしていた。
母は病院という入れ物の中に入ると人が変わる
私はそんな母が余り好きではなかった。
それにしても父は、まだ自分の状態がまだよく分かっていないのか?
「パジェロに乗って、運転して帰る!」と、「腕時計は何処だ?」と言った。いいかげん私はあきれていた。
それでも、父の持ち物の中を掻き回して見せた。
お化けの落武者の話しは、細かい部分の話しが呂律が回らないのか何を言っているのか分からない部分が多くて曖昧な返事で誤魔化していた。
やはり少し脳がやられちゃつているのか?と思った。
何時の間にか?4月に入って、あたりは少し春めいて日差しが明るくなって来ていた。
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