十五夜

ユズは昔っからこうなんだ。

花見れば花見団子

月見れば月見団子

色気より食い気なんだもん。

もう少し情緒があってもいいのにねっっ！！

まあでも月見てお団子って…

なんだよその発想！？ってユズらしくて笑っちゃうけどね。

「ずっとずーっと昔から、この月は変わらないんだよね？」

「は？何ワケわかんねぇこと言ってんの？」

「や、だからさ、昔の人もこうして月の下で歴史を繰り返してきてんだなーって思うとなんか不思議じゃない？」

「俺は葉月が不思議で仕方が無いよ…」

「だって、お月様は見ていたんだよ？何億年も昔から、この地球上の歴史をさ。」

「……」

「月の下で繰り返される…逢瀬があったり戦があったり。それを思うとさ、神秘的というか…月ってすごーく神聖なものに感じるんだけど。」

こうなったら、葉月はもう止まらない。

昔っからそうだ。

同じ双子なのに、性格はまるっきり違う。

時々わけわかんないこと言い出すんだよなぁ…。

月見て歴史を連想するのって葉月ぐらいじゃん？まじ、不思議ちゃんだよなーって思う。

月ってったらウサギとかお団子しかねーよなぁ。