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「新藤さん、おはよー。あっ、酒井も。」
どう見ても二人でいたのに、課長はついで扱いの安田さん。
「今日こそは、お昼、一緒に食べようね、新藤さん。色々と話がしたいから!!!!」
チラッと課長を見たけど、勝手にしろって顔をしてたから、安田さんを優先。
いや、もともと、課長とお昼なんて行ったら、心臓に悪い。
私まで心筋梗塞になるって話だ。
「了解です。私も色々と、聞きたいです。恋バナは女子の大好物ですからね。」
ふふんと笑ったら、安田さんも笑った。
「昨日の熱い抱擁についての事情聴取だとは思わないのかね?」
「だから、弟ですってば。ちょっと、シスコンの気があるだけです。ついでに私はブラコンですけど。」
「うわっ、それって相思相愛じゃん!!!禁断の愛だわ~。」
一人で妄想の世界に入って行く安田さんを見て、どんな危ない妄想をしてるんだろうと頭の中を覗きたくなる。
「弟より、俺にしとけよ。」
耳元でさらっと囁いて、階段を登って行った課長の後姿。
空耳だったかな・・・。
でも、確実に私の頭の中に残ってる。
ドキドキした。
課長・・・。
私が心臓病になったら、遺伝的要因もさることながら、原因の一端は絶対に課長だ。
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