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お昼休みに、やってきたのは昨日と同じ公園。
安田さんが選んだベンチが昨日、課長と座ったベンチだったことは、偶然だけど、なんか嬉しかったりした。
お弁当を広げて、会社の自販機で買ったペットボトルのお茶を一口啜る。
喉に潤い。
食べながらも、話し続ける安田さん。
内容は、想像通り。
先週の金曜日の出来事。
「記憶がなくて、気が付いたら、水谷君の部屋にいたってことですか?なんだか、漫画か小説の中の出来事みたいですね。」
「そこ、冷静になるところじゃないでしょ。そこは、で、シタんですか?って聞くところでしょ!!!」
まぁ、そうなのかもしれないけど。
水谷君はやってないって言ってたし。
「してないって昨日、水谷君は言ってましたよ。」
「んー。そこが、分かんないとこなんだよね。普通さ、目の前に女がいたら、やっておかない?持ち帰ったんだし。」
私に普通の感覚を聞かれても困る。
恋愛偏差値は限りなくゼロに近いから。
「彼氏がいる女の人に手を出さない主義なんじゃないですか?」
「あー、なるほど。でも、別れてきちゃった♪」
・・・空耳、じゃないよね?
「ええと、別れたって言ってる割りには清々しそうなんですけど、落ち込んだりとかしないんですか?」
「ん?他に好きな人ができた場合は落ち込まないでしょ。」
そ、そうなんだ・・・。
他に好きな人って。
「まさか、水谷君?」
「うん。キャッ、恥ずかしい!!!」
いやいや、今更だし。
「年下男子と社内恋愛。ある意味、アラサー女性の希望の星ですね。」
「ちょっとー、新藤さんってば何でそんなテンションなのよぉ。で、新藤さんは?」
私?
私?
それって、課長のことかな・・・。
いや、誰にも言ってないのに?
まさかね。
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