渡せなかったプレゼント

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フラフラと歩きながら、本当は、皆と一緒に出資したチョコレート以外にも何かプレゼントしたいと思っていたり。 めぼしい品はないかと歩いていたら、前を歩く女の人の髪留めが目に付いた。 弟がプレゼントしてくれたと嬉しそうに話していた姿を思い出して、そのまま、髪留めを探して、悩んだ挙句、一つ購入して包んでもらった。 ホワイトデー当日。 バカデカイ高級ブランドチョコを昼休憩中に席を外した新藤さんの机の上に置いておいてやったら、戻って来たときに驚いた顔をしていた。 目をパチパチさせて、驚いた顔をした後、クスクス笑う係長と水谷にお礼を言った後、俺にも嬉しそうにお礼を言ってくれた。 それだけで、嬉しかった。 渡せたらいいなと思った髪留めは結局、渡す機会のないまま、時が流れて、包装もボロボロになったまま、鞄の中に眠っていた。 4月になって新入社員が入った頃に、とうとう、渡せなかったプレゼントを鞄の中から出して、自宅のパソコンデスクの引き出しの中になんとなくしまった。
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