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離婚したのは私が小学2年生で、お姉ちゃんが6年生の時。
私達姉妹を育てると誓ったはずなのに。
男と蒸発したお母さんが悪いの?
借金だらけの家は、怖い所からもお金を摘んでた。
4個上のお姉ちゃんは中学校3年生からウリやってお金作って……。
高校も行かずに年齢誤魔化してキャバクラ、もっと稼げる風俗まで。
返済も残り3分の1まできた。全部お姉ちゃんのおかげ。
そこそこいい家賃のマンションにこうして住めるのも……。
私のカフェのアルバイト代なんて、たかだか知れてる。
それでもお姉ちゃんは一銭も家に入れるなって言うし、私だって水商売をすると言ってもダメだと言って聞かない。
もちろん、トラウマになるだろうけど……。
「どうして……だろう」
私の長年の疑問はそのまま天候に表れたかのよう。突然、大粒の雨が降ってきた。
「傘取ってこないと」
玄関に戻り、傘を取る。
脱衣所の奥から、姉のすすり泣く声が聞こえた。シャワーを浴びているお姉ちゃんがたまに泣いていることは知っていたけど……。
夢中で私が帰ってきた事に気づいていないのかもしれない。
「お姉ちゃん……」
「か、カスミっ!!」
刷りガラス越しに見える姉の肢体。
多くの男達に遊ばれた身体。汚い、汚い身体。
「あんた、早くコンビニ行っておいで」
「辛い……よね。お母さんの借金もあるし……だから、だから私」
「男も知らない女が、何言ってるの? あたしの事は放っておいて、さっさとご飯買って来て!!」
私は、何を思ったんだろう。
気づいたらTシャツを脱いで、スポーツブラに手をかけていた。
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