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同じ部屋の女子の中には、 美人な保奈美ちゃんに その彼女と同中だった、佐藤さんに 中山くんと同中だった、清水さんがいた。 「中山くんてさ、中学んときモテてた? 彼女は?」 自由時間、男子の話に やっぱり中山くんの名前は出てくる。 私はシーツを敷きながら 聞いていないフリをして その名前に反応していた。 清水さんは 「モテてたね、ちょー軽いからさ 顔もいいし 絵とかもうまかったし センスがあって あ、彼女はいたよ」 少し自慢気に、同級生の話をする。 「今は?」 保奈美ちゃんは、 中山くんを気に入っているようだ。 「たぶん、いないんじゃない?」 保奈美ちゃんと佐藤さんはガッツポーズをしていた。 「河合さん、中山くんと隣の席、羨ましいよ」 ほら、そこ、きた。 わたしは、返事をしてよいのか分からないまま ゆっくり振り向くと 「河合さん、反応が遅いよ」 清水さんが、苛ついたように私を見ている。 「……そうかな?」 苦手な上から目線…… 「河合さんは、おっとりしてるんだよ ね、河合さんのいた中学にはカッコイい人いたの!?」 保奈美ちゃんが間に入るようにフォローしてくれている。 「いたよ、中山くんみたいにじゃないけど」 きっといい子に違いない。 「し゛ゃ、研修終わったら卒業アルバム見せて!」 友達、に なれるかな? 「うん、持ってくるね」
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