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「俺のおじさん、KTCの局で雇われカメラマンやってるよ」 白石くんが ものすごくラッキーな情報をさりげなく、 イチゴ-オレを飲みながら、ちらつかせる。 「ブー、アポを取ってもらってくれよ!」 中山くんと穂高先輩が 白石くんに詰め寄ると 「結果はわかんないぞ」 そう言いながら 携帯電話から、どこかにかけていた。 「売り込みには、華がある奴が行ったがいいと思うんだよな」 中山くんは 学ランを脱ぎながら 親指で胸を指し、へんなアピールをする。 「なんだよ、胸にシリコンでも入れたのかよ?」 「入れるか!」 ……中山くん、テレビ局行きたいんだ、 可愛いなぁ 「華のある、お二人で行ってきたら?」 土曜日は富美ちゃん達から遊びに誘われていた。 「やだよ、 なんでこんな能面みたいな野郎と2人でお出かけしなきゃいけないんだよ?」 失礼ながらも 的確な例えに、みんな吹き出す。 「能面………」 「中山言い過ぎ!」 ウケる寿くんたちと反対に 不愉快そうな穂高先輩。 「おー、土曜日、事件がない限り、夕方の報道用に話してもいいって」 白石くんの朗報に 「中山と河合で行けよ、オレが名曲生み出す間によ」 大人な対応。 「おう!任せとけ」 ………穂高先輩、 ごめんなさい。 例え、誰か他を好きな彼でも そばにいられるのは、 やっぱり嬉しい。 「絶対、テレビに出るように話持って行く、な、ケロちゃん?!」 例え "女の子"として思われていなくても 「うん」 大好きな声を 恋する力に変えていきたい。
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