70人が本棚に入れています
本棚に追加
HRの終わりとともに、慌ててグラウンドに向かう。
中山くんは
息を切らしてしゃがみ込んでいた。
ハァハァと
汗を垂らしながら
シャツ一枚になった中山くんは
やっぱり
セクシーで、
綺麗で
「どうしたの?急に走り出して」
見とれてしまう。
「気持ちを、落ち着かせてた」
「走って…?」
中山くんは頷くと
立ち上がり、
私の短くなった髪を触った。
「なんで、穂高には話して、俺には話さないんだよ?」
「………怒ってる?」
ううん、
怒ってない。
優しく大きな手で、私の髪を触る彼の瞳は
茶色い、
淡い優しさに
ちょっとだけ切なさを漂わせて
私の目を捕らえて離さない。
「私は、汚されてないよ?」
ドキドキして
声が震える
「わかってるよ、
だけど
俺だって、ケロちゃんの髪をこんなにした奴に仇討ちたかったんだ」
中山くん………
嬉しくて
泣きそうだよ。
「来週は、ケロちゃんと2人で音入れだよ」
最初のコメントを投稿しよう!