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「中山くん、おかしいよ、やってもない罪かぶるなんて」
ロッカーの荷物も
リュックに入れ、
帰り支度を黙々と続ける中山くんは、
「谷口たちの事は
言いたくないんだ」
少し
怖いくらいに
冷静な目で私を見た。
「…だから、どうして?」
開けた窓から
サッカー部のかけ声や、早々に夏を主張する蝉の声が
容赦なく入ってきて、
小さくなった、中山くんの声を、
かき消してしまいそうだった。
「河合さんが、あいつらにヤラレタって噂が
本当なんだって
みんな思っちゃうだろ?」
中山君の
金髪に似た茶色い髪から
いつもの
甘い香りが漂う。
「俺は、こんな風にしか
ケロちゃんを守れないから」
それくらい、
二人の距離が縮まった。
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